ラグビー南アフリカ代表ー通称スプリングボクスー
1995年、2007年、2019年と3度のW杯優勝経験があり、1995年はW杯初出場・初優勝という偉業と成し遂げています。南アフリカはニュージーランド、オーストラリアと並んで南半球最強国の一国として、北半球の強豪国と戦ってきましたが、1960年代からは南アフリカの人種隔離政策ーアパルトヘイトーに対して世界中から抗議を受けて、国際試合数が激減、さらに1980年代にはワールドラグビーから除名されて国際試合を開催出来ず、弱小化の一途を辿っていました。
その後アパルトヘイトの廃止によってワールドラグビーへ再加盟、4年かけて南アフリカ代表は強豪国へと返り咲き1995年のW杯で初優勝を飾ったのです。その様子は映画「インビクタス」でも描かれているように観るものの心を揺さぶるドラマを有しています。
チーム愛称のスプリングボクスは南アフリカなどに住んでいるウシ科の動物、スプリングボック。サバンナを軽やかに飛び跳ねる姿が特徴の動物ですが、ラグビー南アフリカ代表のラグビーは世界屈指の強いフィジカルを活かした骨太なプレイが特徴です。
代表を引退しましたがビースト(野獣)の愛称で有名なプロップのテンダイ・ムタワリラという選手は、キックボールをキャッチするために身長2メートルを超えるロックの選手をリフト(選手を持ち上げる動作、ジャンプを補助する動作)して、ロックの選手が上空でバランスを崩して落下しそうになったところを腕だけで支える、という怪力プレーを何度か披露しています。
そのような怪力プレーや、強烈なタックルといった高いフィジカル、強いパワーが生み出すプレー集では南アフリカの選手から選ばれていることが多いです。
世界最強のニュージーランドの一番の好敵手は南アフリカと言っても過言ではないと思われます。世界ランクはニュージーランドに次いで4位。アイルランド、フランスが近年のテストマッチでは高い勝率を記録しているので、南アフリカが4位となっていますが、次回W杯でも優勝して連覇を十分狙える実力を有しています。
南アフリカは7月8日にザ・ラグビー・チャンピオンシップ初戦でオーストラリア、15日にニュージーランド、29日にアルゼンチンと試合を行い、その後W杯前哨戦として8月5日にアルゼンチン、19日にウェールズ代表、25日にニュージーランドとテストマッチを行います。
そして9月10日にスコットランドとのW杯初戦を迎えます。
ザ・ラグビー・チャンピオンシップに参加する40人のトレーニングスコッズを紹介していきます。
日本のリーグワン、そして前身のトップリーグでもプレー経験のある選手が多く居ますので、身近に感じられるメンバーではないでしょうか
Props
トーマス・デュトイ
Cell Cシャークス / Paarl Boys’ High School
189cm / 130kg
1995/5/05 15caps
スティーブン・キッツォフ
DHLストーマーズ / Paul Roos Gymnasium
184cm / 125kg
1992/2/10 71caps
フランス・マルハーバ
DHLストーマーズ / Paarl Boys’ High School
191cm / 125kg
1991/3/14 58caps
オックス・ンシェ
Cell C シャークス / University of the Free State
176cm / 115kg
1995/7/23 19caps
トレバー・ニャカネ
ラシン92 / Hoërskool Ben Vorster
178cm / 117kg
1989/5/04 59caps
ヴィンセント・コッホ
スタッド・フランセ / University of Pretoria
185cm / 118kg
1990/3/13 41caps
Hookers
ジョセフ・ドウェバ
DHL Stormers / HTS Louis Botha THS
172cm / 108kg
1995/10/25 2caps
マルコム・マークス
クボタ・スピアーズ / University of Johannesburg
189cm / 117kg
1994/7/13 59caps
ボンギ・ムボナンビ
Cell C シャークス / TUT
176cm / 106kg
1991/1/07 55caps
Locks
ルート・デアハー
埼玉ワイルドナイツ / North-West University
205cm / 112kg
1992/12/17 65caps
エベン・エツベス
Cell C シャークス / University of Cape Town
203cm / 117kg
1991/10/29 110caps
マーヴィン・オリエ
DHLストーマーズ / Tygerberg High School
198cm / 113kg
1993/2/15 11caps
RG・スナイマン
マンスター / Afrikaanse Hoër Seunskool
206cm / 117kg
1995/1/28 23caps
フランコ・モスタート
ホンダヒート / University of Pretoria
198cm / 112kg
1990/11/27 63caps
FL/No.8
ピーター=ステフ・デュトイ
トヨタ・ヴェルブリッツ / Hoërskool Swartland
200cm / 119kg
1992/8/20 66caps
シヤ・コリシ
Cell C シャークス / Grey High School
187cm / 106kg
1991/6/16 75caps
エヴァン・ロス
DHLストーマーズ / Paarl Boys’ High School
191cm / 109kg
2000/1/21 3caps
クワッガ・スミス
静岡ブルーレブス / Hoër Tegniese Skool Middelburg
180cm / 95kg
1993/1/11 31caps
マルコ・ファン・シュターデン
ボーダーコム・ブルズ / University of Pretoria
184cm / 110kg
1995/8/25 10caps
デュアン・フェルミューレン
ウルスター / Hoërskool Nelspruit
193cm / 117kg
1986/7/3 64caps
デオン・フォウリー
DHLストーマーズ/ Pietersburg High School
177cm / 100kg
1986/9/25 5caps
SH
ファフ・デクラーク
キヤノン・イーグルス / Hoërskool Waterkloof
172cm / 80kg
1991/10/19 46caps
ジェイデン・ヘンドリクセ
Cell C シャークス/ Glenwood High School
184cm / 86kg
2000/3/23 12caps
ハーシェル・ヤンチース
DHLストーマーズ/ University of the Western Cape
167cm / 78kg
1996/4/22 23caps
コバス・ライナッハ
モンペリエ / Grey College, Bloemfontein
175cm / 85kg
1990/2/07 24caps
グラント・ウィリアムス
Cell C シャークス / Paarl Gimnasium
174cm / 80kg
1996/7/02 1cap
SO
マニエ・リボック
DHLストーマーズ / Hoërskool Outeniqua
184cm / 76kg
1997/7/15 3caps
ダミアン・ウィレムセ
DHLストーマーズ / Paul Roos Gymnasium
183cm / 86kg
1998/5/07 27caps
CTB
ルハニョ・アム
Cell C シャークス / Hoërskool De Vos Malan
186cm / 93kg
1993/11/28 31caps
ダミアン・デアレンディ
埼玉ワイルドナイツ / University of Cape Town
189cm / 101kg
1991/11/25 69caps
ジェシー・クリエル
キヤノンイーグルス / UP Tuks
186cm / 96kg
1994/2/15 59caps
WTB/FB
カート=リー・アレンツェ
ボーダーコム・ブルズ / University of the Western Cape
177cm / 80kg
1996/1/17 7caps
ウィリー・ル・ルー
トヨタヴェルブリッツ / Paul Roos Gymnasium
186cm / 90kg
1989/8/18 83caps
マカゾール・マピンピ
Cell C シャークス / Jim Mvabasa SS School
184cm / 90kg
1990/7/26 36caps
カナン・ムーディ
ボーダーコム・ブルズ / Boland Agricultural High School
190cm / 89kg
2002/11/05 4caps
基本的に前回2019年W杯メンバーが招集されていますが、バックスの主力メンバーであるSOのポラード、快速ウィングのコルビが怪我で離脱しており、W杯までに復帰出来るとプレスリリースされています。
スクラムハーフが同一ポジションで5人招集されていて、デ・クラークの次世代となる正スクラムハーフ争奪戦が激しいものになることが予想されます。
一方のスタンドオフが経験豊富なハンドレ・ポラードが先述の通り怪我で離脱していますので、ウィレムセとリボックの二人では経験不足が否めなく、些か不安が感じられます。
注目選手ですが、フォワードは全員が注目です!
スクラムを組む際に最前列で相手チームと組むフロントローの3人(プロップ2人とフッカー)は紛れもなく世界最強レベル。
特に現在リーグワンのクボタ・スピアーズでプレーしているフッカーのマルコム・マークスは、ディフェンスでタックル後に相手ボールを奪うジャッカルの名手。強力な腕力で相手の腕を抱え込み、パスを出させなくする姿は凄まじいものです。
スクラム2列目のロック2人も世界最強レベルのロックです。特にエツベスは黒髪で精悍な顔立ちのイケメンですが、ボールを持って走れば相手タックラーを吹き飛ばして突き進み、ボールを持った相手選手はフィールドから吹っ飛ばすような強力なタックルで仕留める姿と、何かとエキサイトして乱闘を起こす姿が印象的です。
スクラム3列目のフランカー、No.8のメンバーも世界トップレベルです。ピーター・ステフ・デュトイは2019年の世界最優秀選手、シヤ・コリシは南アフリカ初の黒人キャプテンで体を張ったプレーでチームを支えています、No.8のフェルミューレンは驚異的な推進力の持ち主でボールを持ったら相手選手を吹き飛ばして進む選手です。
バックスの選手も足が速く、なおかつフィジカルが強く、攻撃的な選手が多いため、まさにどのポジションの選手にボールが渡ってもワクワクする展開を起こしてくれること間違いなしです。
ライバルのニュージーランドがボールをフィールド全体に展開していくラグビーを得意にしているのに対して、南アフリカはセットプレー、スクラムやラインアウト、ラックからの攻撃を得意としています。
2023W杯では現在世界ランク1位のアイルランドと対戦しますので、近年稀に見る激闘が予想されるカードに要注目です!
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